クールジャパン 「マンガ」!
昨日のクールジャパン(再放送)のテーマは、「マンガ」。
スタジオの外国人、自分の国で「日本のマンガ」は全員知っていたけど、
もともと世界のほとんどの国が、マンガは子供が読むものという位置づけなのだそうで、
外国人が見た日本は、電車でマンガ本読んだり、
ケータイマンガを読んだりしてて、そこら中に漫画が溢れて、
老若男女が読んでるから本当にびっくりなんだそうです。
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種類豊富なマンガ
マンガ大国日本の出版物の約4割がマンガ。
多種多彩ジャンルも恋愛モノ・動物モノだけじゃなく、統計学とか微分積分・フーリエ解析・哲学書入門・・・
など専門書に至るまで多種多彩。
日本はまさしく「マンガの国」だと思ったそうです。
各国マンガの主流は、アメリカ・カナダはヒーローもの。
フランスは事件ものやファンタジー。ドイツはアングラ系。チュニジアは新聞の風刺漫画。ブラジルは子供向けの冒険もの。イスラエルは・・・マンガ文化なし。
とにかく日本のマンガのその種類と、絵の繊細さ、長さに驚くらしい。そしてそれが欧米にウケて広がっている。
特に、アメリカでは日本の女性向けマンガは確実にウケて市場を広げ、フランスのマンガは14、5歳位にならないと読まないので、子供の需要を満たすために、日本のマンガが人気とのこと。
だけど、日本で政府機関とか警察の広報、公共の冊子もマンガが多いのは、
大人なのに馬鹿にされているようだとスタジオでは不評。.
それと専門書のマンガは、翻訳したら外国で売れると思うけど、
文学書のマンガは賛否両論でした。
で、ドイツ人が「記憶にとどめておく必要がありますが、
日本は新しい媒体を作った国なんです。インターネットはアメリカで生まれ、マンガは日本で生まれました。
マンガは親しみやすいものだし、日本人が生み出すマンガは、想像力に溢れていると思います。」発言に感動~
慶応大学の中村伊知哉教授の解説 「外国のマンガは基本的に子供のもので、日本は文化として大人と子供の線引きが曖昧。だから大人の読むマンガ文化も発達。12世紀の鳥獣戯画の頃から庶民の映像文化として育ってきた。」
日本式マンガの作り方
マンガの売り上げ日本一の集英社で、
人気漫画家(キングダムの作者)とその編集者の仕事ぶりを密着取材。
中国への取材旅行、綿密な打ち合わせ、構成のダメ出し。その他のやりとり・・・、
漫画家の部屋など興味深かった。例えば、まつげ一本の直しとか。
この辺の漫画家と編集者の二人三脚の作品製作が、日本式のマンガの作り方の特徴なんだそうです。
あと、新人発掘のやり方も興味深かった。厳しいダメだしとか。
北米のマンガは、物語を作る人、絵を描く人、編集者全て分業で、
日本では最初から最後まで二人で協力して作り上げるということです。
ブラジルはひとりで。フランス・ドイツの編集者はマーケティングしかやらない。
でも最近は日本式マンガの作り方を取り入れているそうです。
そもそも独自の連載マンガ雑誌自体がアメリカ・韓国にはほとんどないそうで、
カナダ人「日本人がマンガ雑誌をポイ捨てするのはおかしい。マンガは芸術だと思っているので決して捨てません。」 ブラジル人「(日本は)多すぎるのよ。」 イスラエル人「私は以前電車内に捨ててあるマンガ誌を拾っていたんです。弟に送ってあげようと思って・・今はしませんけど」の会話はちょっと面白かった。
解説 「日本式マンガの作り方は、週間のマンガ雑誌がたくさん出てきて、出版のサイクルが短いのと、需要が高いからたくさん作らなくてはいけないので、クオリティーを保つ為に編集者のプロデューサー的な生産システムが出来上がってきた。」
今やマンガが社会に与える影響も大きく、ドラマの3割はマンガが原作で、
「のだめカンタービレ」でクラシックCD売り上げが増えたり、「カバチタレ」で行政書士の志願者数が二万人も増えたり、アメフトブーム・囲碁ブームなどなど・・
海外では、有名なとこではフランス(チュニジアとかも)で「キャプテン翼」が起こした大サッカーブーム。(有名なのはジダン)。
ただし日本のマンガだと気づかず^^;
韓国では今、「神の雫」でワインブームが起こり、テーブルマナーを勉強してるそうです。
解説 日本のサブカルチャーが今や日本文化の中心になっている。そこに才能を持った人材が集まってきた。そこから娯楽だけでなく情報、文化、社会的ムーブメントを出す力を持ってきた。それが海外にも広がって北米ではここ六年の売り上げが、八倍以上の伸びを示し、日本のマンガが大きな市場を持つブーム。浸透力を持つ優れたコンテンツ。
大学のマンガ学部
最後に京都精華大学の漫画学部を取材。
その基礎・(陰影のつけ方・コマ割りの仕方・視線誘導)作業の仕方もおもしろかった、
その学部長があの竹宮恵子先生。
授業風景は、技術者ではなく作家を育てる為の、漫画の歴史の講義。
単に絵が上手なだけではなく、独創性があり商業的に成功するように考えているとのこと。
「まんが道」をスライドで写し、竹宮先生自ら講義など。あとは京都マンガミュージアムの様子とか。
レポートしたイスラエルの女性は「マンガの歴史や脚本の授業がとても興味深かった。マンガ家は、絵を描くだけではダメなんだとわかった。マンガ学部を持つとしたらそれは日本しかない。日本にはマンガ文化があるから。」との感想でした。
解説 日本はマンガが単なる娯楽作品というだけじゃなくて、学問として研究対象のひとつになってきている。
この日のベストオブクールは、
もちろん「種類豊富なマンガ」でした。
編集者と二人三脚の日本式マンガの作り上げ方、というのが面白いですね。
そういえば精華大学には、マンガ学科だけでなく、
アニメーション学科とマンガプロデュース学科(編集者育成)があるんですよ。
で、私の中学時代に理数系のマンガがあったら、もっと賢くなっていたかも!と思いました。(笑)
とにかく日本のマンガを語らせたら、外国人もきりがなく、書ききれませーん。すごいパワーでした。
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